29年 第2回 「線路設備」




29_2_senro_1_(1).png

問1
(1)
ア:⑪ PDS
イ:⑭ 15
ウ:⑨ 1.49
エ:④ ファイバグレーティング

解説
PDS方式(PON)の構成
SS2.png
ONU(Optical Network Unit):ユーザ宅内に設置される光終端装置。光ファイバによるGE-PONの通信を終端し、Etherなどの電気信号に変換する装置
OLT(Optical Line Terminal):通信事業者の局舎側に設置される光終端装置。一つの光ファイバに最大32台のONUを収容することができる。
光スプリッタ:電線上などに設置され、OLTを複数のONUに接続するために光信号を分岐・合流する装置

・PLC型スプリッタ
PLC(石英系プレーナ光波回路:平面光波導波路)型スプリッタは、Y 分岐の導波路が多段接続された構成をしており、8分岐を超えるスプリッタで主に使われる。
PLC_splitter.png


・PLC型光スプリッタで32分岐(4分岐×8分岐)した場合、光は1/32(=(1/2)5)となるのでdBに換算すると下記のように15dBになる。(※log2 = 0.3)
\(Loss = 10log_{10}(\frac{1}{2})^{5} = 10log_{10}2^{-5} \)
\( = -50log_{10}2= -50 \times 0.3= -15 \)


また、光が2分岐されると、光パワーは半分になり3dB減少(※10log(1/2)= -3[dB])することがしられており。2分岐が5段構成で分岐が起こるので、3[dB]×5段=15dBと計算することもできる。

・GE-PONの波長分配
それぞれの信号は、下記のよう各波長に割り当てられている。
波長
映像信号1.55μm帯
上り1.31μm帯
下り1.49μm帯



・ファイバグレーティング
光ファイバの長尺方向に周期的な屈折率変化を持たせることにより、回折格子として働かせたもの。特定の波長のみを反射させることできるので、フィルタリング機能として使われる。
fiber_grating.png



29_2_senro_1_(2)i.png

(2)
(ⅰ)
答え:④
解説
① メタリック平衡対ケーブルの直流導体抵抗値は、導体の長さに比例し、心線径に反比例(正:の2乗に反比例)する。また、温度が高くなるほど直流導体抵抗値は低下(正:増加)する。
② 架空用メタリック平衡対ケーブルとしては、ケーブルと鋼撚り線が一体となった自己支持(SS)形ケーブルが施工面において優れていることから、広く用いられている。また、SS形ケーブルは、断面形状がひょうたん形であることから、強風によるダンシング現象を抑制することができる(正:の影響を大きく受けるため)ため、強風地帯にも適している(正:適していない)
③ 地下用メタリック平衡対ケーブルと架空用メタリック平衡対ケーブルは、一般に、仕様をできるだけ同一にする必要があるため、心線径は、0.4 mm 、0.5 mm及び0.65 mmの3種類(正:0.4[mm]、0.5 [mm]、0.65 [mm] および 0.9 [mm]の4種類)に統一されている。
④ 正しい

補足
・直流導体抵抗値
メタルケーブルの抵抗値は、心線径D[m]、ケーブルの長さL[m]、材質の抵抗率ρ[Ω・m]としたとき下記のように表される。
metal_teikou.png

\(R = {\frac{4 \rho L}{ \pi D^2}} \)

また、抵抗率ρ[Ω・m]は、温度に依存しており、温度t[℃]の時の抵抗率は、下記のように表される。
α:抵抗率の温度 0℃のときの抵抗率ρ0

\(\rho = \rho_0(1+ \alpha t) \)

以上から、抵抗値は、心線径の2乗に反比例し、温度上昇により増加することがわかる。

・自己支持形ケーブル
架空ケーブルのうち、通信線と並行して支持線が一体化されたケーブル。架空配線された際にかかる風圧やケーブル自重などの応力を支持線によって負担させる。
自己支持形ケーブルのうち、支持線と通信線との連結部分にスリットを設けることで風の通り道を作ることでダンシング現象を抑制しているものもある。
ダンシング現象:架空ケーブルにおいて、風によってケーブルに揚力が生じ、ケーブル自体のねじれ振動と相乗して一種の自励振動が発生する現象
zikoshiji.png

・メタリック平衡対ケーブルの心線径について
「電子情報通信学会知識ベース 5群 通信・放送 2編 7-1-2電信電話時代のメタリックケーブルの変遷」(https://www.ieice-hbkb.org/files/ad_base/view_pdf.html?p=/files/05/05gun_02hen_07.pdf#page=4)の「表7・1 主なメタリックケーブルの特徴」に代表的なメタリックケーブルと心線径の記載がある。
 新しいケーブル群を見ると架空用、地下配線用いずれも「0.4mm,0.5mm,0.65mm,0.9mm」の4つの心線径が用いられていることが分かる。



29_2_senro_1_(2)ii.png

(ⅱ)
答え:② Bのみ正しい
解説
A:メタリック平衡対ケーブルの漏話には、誘導回線の電流の方向と同じ方向へ誘起電流が伝搬される近端漏話(正:遠端漏話)と、逆方向へ伝搬される遠端漏話(正:近端漏話)がある。ISDN回線によるADSL回線への漏話の影響については、一般に、近端漏話(正:遠端漏話)と比較して遠端漏話(正:近端漏話)からの影響を強く受ける。
B:正しい
C:メタリック平衡対ケーブルにおける心線の撚り合わせ方法としては、一般に、心線収容効率、漏話特性などを考慮して2心線を撚り合わせたペアを、さらに、ペアどうしで(正:4 本の導体を星状の四角に配列して共通の軸回りに一括して)撚り合わせた星形カッド撚りが用いられている。

補足
・遠端漏話と近端漏話
遠端漏話:誘導回線の電流の方向と同じ方向へ誘起電流が伝搬される(送信用回線から送信用回線に漏話する)
近端漏話:誘導回線の電流の方向と逆方向へ伝搬される(送信用回線から受信用回線に漏話する)
ISDN回線からADSL回線に漏話が発生する場合、近端漏話の影響が大きく、遠端漏話は大きい問題とならない。
rouwa2.png


・星形カッド
4本の導体を星状の四角に配列して共通の軸周りに一括して撚り合わせたケーブル。静電容量が小さいので伝送損失が少なく、ケーブル外径も小さくできるため、心線収容率も良い。
star_cad.png



29_2_senro_1_(2)iii.png

(ⅲ)
答え:③
解説
① 1,000心のテープスロット型光ファイバケーブルは、中心部に抗張力体を持ち、スロットロッドの周りに12個(正:13個)のスロットを有する構造であり、8心テープ型光ファイバ心線が11個(正:12個)のスロットに10テープずつ、12心(正:8心)テープ型光ファイバ心線が1個のスロットに10テープ(正:5テープ)それぞれ積層されている。
② 地下用多心光ファイバケーブルは、一般に、抗張力体を中心に光ファイバテープ心線を収納したスロットロッドと外被などによって構成され、スロットロッドと外被の間に吸水テープを巻いたFRケーブル(正:WBケーブル)や、難燃性外被を施したIFケーブル(正:FRケーブル)などがある。
③ 正しい
④ 誘導を受けないという光ファイバの特性を生かすため、金属を全く使用しない構造でノンメタリック化した光ファイバケーブルでは、抗張力体としてヤング率が鋼線の4倍(正:25%)程度の繊維強化プラスチック(FRP)が用いられている。

補足
・1000心のスロットロッド型光ファイバケーブル
1000心のスロットロッド型光ファイバケーブルは、スロットロッドの周りに13個のスロットを有している。
13個のスロットのうち、12個は、8心光ファイバテープ心線が10本入っている。
13個のスロットのうち、1個は、8心光ファイバテープ心線が5本入っている。
心線数を計算すると、以下のように1000心となる。
 12(スロット)×10(テープ)×8(心線)=960
 1(スロット)×5(テープ)×8(心線)=40
 960+40=1000

slot.png

HSケーブル(High Strength Cable):ステンレステープで外被が保護されたケーブル。キツツキや鼠、リス等の鳥獣害対策が使われる。
FRケーブル(Frame Retardant Cable):難燃性を持たせたケーブル
WBケーブル(Water Block Cable):浸水を防止するためのケーブル。外被の一部に吸水材料が使われており、浸水すると吸水材料が膨張しケーブル内部との間に遮水層を形成することによりそれ以上の浸水を防止する

・自己支持形ケーブル
架空ケーブルのうち、通信線と並行して支持線が一体化されたケーブル。架空配線された際にかかる風圧やケーブル自重などの応力を支持線によって負担させる。
自己支持形ケーブルのうち、支持線と通信線との連結部分にスリットを設けることで風の通り道を作ることでダンシング現象を抑制しているものもある。
ダンシング現象:架空ケーブルにおいて、風によってケーブルに揚力が生じ、ケーブル自体のねじれ振動と相乗して一種の自励振動が発生する現象
zikoshiji.png


IFケーブル(Induction Free Cable):テンションメンバにFRP(繊維強化プラスチック)などの非金属材料を使用することで誘電対策を施したケーブル
FRP(Fiber Reinforced Plastics:繊維強化プラスチック):、ガラス繊維や炭素繊維を複合して強度を向上させた合成強化プラスチック。
ヤング率:引っ張った際の「ひずみ」と「引張応力」の比例定数。縦弾性係数とも呼ばれる。ヤング率が大きい物質は、引張方向に対して硬さを持っていることを表している。




29_2_senro_1_(2)iv.png

(ⅳ)
答え:④
解説
① テープスロット型光ファイバケーブルの布設時における最小許容曲げ半径は、布設が一過性であるため(正:布設時により大きい負荷がかかるため)、一般に、固定時における最小許容曲げ半径と比較して小さい(正:大きい)
② 地下用光ファイバケーブルでは、管路内布設時における張力による伸び率は、一般に、2%(正:0.2%) 程度まで許容されている。
③ 地下管路区間のケーブル布設では、光ファイバケーブルに捻回が生じないように、ケーブルとプーリングアイとの間(正:の先に)に撚り返し金物を取付け、布設方法が先端牽引方法の場合であって布設張力がケーブルの許容張力を超えるときは、布設ルートの中間で8の字取り工法などが用いられる。
④ 正しい

補足
・最小許容曲げ半径
下図のケーブルの曲げで作られる円の半径を曲げ半径といい、ケーブルで許容される最小の曲げ半径のことを、最小許容曲げ半径という。
magehankei.png


・ケーブルの牽引方法
先端牽引法:牽引車を使ってケーブルの先端を牽引する方法。比較的短い距離を牽引する場合に使われる方法
中間牽引法:牽引車の牽引に加え、中間地点に設置した牽引機により牽引を行う方法。中間での牽引の力も加わるため牽引の際にケーブルに加わる布設張力を軽減できる。
8の字取り工法:牽引の布設張力を軽減するために、中間位置で一度すべて引き出す方法。引き出しを行う際は、8の字取りと呼ばれる方法で、許容曲げ半径を守って捻じれが無い様に束ねる。
kenin_hou.png

・ケーブルの牽引端
プーリングアイ:ケーブルと一体化して牽引するための引張端をつくる。プーリングアイの内部では、テンションメンバ・心線・外被などが固定されるため波打ち現象などを防げる
撚り返し金物:牽引中の捻回を防ぐための器具。牽引中の延長ロープの捻回をこの器具で吸収し、ケーブルの捻回を防ぐ。
hipparitan.png

・一束化技術
既設の自己支持ケーブルなどにらせん状ハンガを巻き付けて、新しいケーブルを布設する方法。
hitotabaka.png






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