30年 第2回 「伝送設備」



30_2_setubi_1_(1).png

問1
(1)
ア:⑫ シグナリング
イ:⑥ PCM
ウ:① 8
エ:⑪ ジッタ

補足
<VoIPにおける音声符号化技術>
以下は、ITU-T勧告として標準化されている主な音声符号化の一覧。これらの符号化技術のうち、IP電話においては、PCM符号化方式を用いたG.711と、CS-ACELPを用いたG.729a(※)などが使われている。
(※G.729aは、G.729を機能拡張したもの。符号化に必要な計算量を低減しており、音声品質は若干劣る)

・ITU-Tで標準化された音声信号の符号化方式
ITU-T勧告符号化方式ビットレート
(kbit/s)
説明サービス分類
G.711PCM符号化方式64PCM符号化を使って、サンプリング周波数8kHz、非線形量子化8bitで音声アナログ信号をデジタル信号に変換する。符号化則として、μ-lawとA-lawの2つがある。ISDN標準端末、IP電話機波形符号化方式
G.722SB-ADPCM48/56/6450~7kHz(サンプリング周波数:16kHz)の広帯域の音声符号化。高周波数帯と低周波数帯の2つに分けてADPCM符号化を行い、高周波数帯を粗く量子化することでビットレートを抑える。会議システム、放送中継波形符号化方式
G.726ADPCM32適応予測と適応量子化を用いることで、PCM符号化方式と同等の音声品質を保ちながら、32kbit/s(PCM方式の1/2)で伝送する方式PHS、デジタルコードレス電話機波形符号化方式
G.729CS-ACELP8音声波形ではなく、コードブックに登録された波形パターンの番号と音声の特徴情報を送ることで情報量を飛躍的に減らした方式IP電話機、インターネット電話機ハイブリッド符号化方式


※PCM符号とPCM符号化方式(PCM方式)について
PCM符号化は、音声アナログ信号から「標本化⇒量子化⇒符号化」という手順でデジタル信号に変換するための符号化技術の事を表しており、CD-ROMへの録音やその他の技術にも応用されている(サンプリング周波数や量子化方法は、用途に応じて使い分けられる)。PCM符号化方式(PCM方式)は、ISDNサービスの展開に伴い、デジタル音声通話のために開発されたITU-Tの規格のことで、サンプリング周波数や、非線形量子化の方式などが細かく規定されている。両者は、混同しやすいので注意が必要。

<VoIPにおけるパケット処理技術>
VoIPにおいては、リアルタイム性の高いパケット通信が必要となるため、パケットの「遅延」、「揺らぎ」、「損失」に対する対策が必要となる。具体的な対策は、【参考】で紹介する。
(用語説明)
RTP(Real time Transport Protocol):音声や映像などのデータストリームを配送するためのプロトコル。ユニキャストはもとより、マルチキャストにも対応している。
ジッタ(Jitter:揺らぎ):一定時間内の遅延における変動。VoIP網において、ジッタが大きいと音声の途切れなどが発生しやすくなる。ジッタを減らす仕組みとして、VoIPゲートウェイの揺らぎ(ジッタ)吸収機能などがある(詳細は末尾の【参考】を参照)

<VoIPにおけるシグナリング(呼制御)技術>
H.323:ITU-Tで国際標準化されている呼制御プロトコル。ISDN網で使われていたH.320をベースにして作られている。
SIP(Session Initiation Protocol):HTTPをベースにした呼制御プロトコル。HTTPと同様にテキストベースのメッセージのやり取りによって制御が行われる。

【参考】
PCM(Pulse Code Modulation)符号化:アナログ信号を「標本化⇒量子化⇒符号化」という手順でデジタル化する方法
・標本化(サンプリング):一定の間隔(サンプリング周期)でその時の値(標本値)を採取する
・量子化:アナログ値である標本値は無限個存在するが、それを有限個の値に区切る。量子化の過程で、ある範囲内にある標本値は、同一値になる。量子化によって情報が失われてしまう事を量子化雑音という。
・符号化:量子化によって区切られた値を、1と0のパルス値に変換する。
degrade3.png

・PCM符号化方式における標本化について
人間が話す音声を明瞭に聞き取れる音声帯域は 300Hz~3.4kHzとされている。シャノンのサンプリング定理に基づき、元の波形を復元するには、原音の周波数の2倍以上で標本化(サンプリング)することが必要であるとされているため、IP電話におけるPCM符号化方式では、300Hz~3.4kHzの2倍以上である、8kHzで標本化が行われる。

・非直線量子化
量子化ステップ(目盛り)が等間隔である直線量子化と比較して、等間隔でない量子化ステップを使って量子化する方式。振幅の小さい波形(小さい音)に対しては、細かい量子化ステップを使用し、振幅の大きい(大きい音)に対しては、粗い量子化ステップを使用する。一般的に音声信号は、振幅の小さい波形が全体を占める割合が多く、非直線量子化を使用した方が出現頻度の多い小さい波形の量子化雑音を抑えることができるため、信号全体のSN比(信号雑音比)も改善される。
senkei_hisenkei_ryousika.png

CS-ACELP(Conjugate Structure - Algebraic Code Excited Linear Prediction)の仕組み
音声信号を10msずつ区切って、コードブックの波形パターンから類似しているものを選択し、その波形パターン番号、音声のピッチ、大きさ、その他の音声情報を合わせて80bitの符号情報として1秒に100回の速度で送信する(80bit×100回=8kbit/s)。受信側では、コードブックを使用して、波形パターン番号とその他の情報から音声を再現することができる。実際の波形ではなく波形パターン番号を送ることにより飛躍的に伝送する情報量を減らすことができる。
CELP_sikumi.png

・IP電話(VoIP)における音声劣化原因の種類
<送話側のVoIPゲートウェイにおける劣化要素>
-符号化遅延(圧縮遅延):音声信号を符号化(圧縮化)する際の処理時間による遅延
-パケット化遅延:符号化した音声をRTPパケットに乗せる際に発生する遅延。パケットサイズ分の音声データが揃うまで送信しないため、パケットサイズに応じて遅延量は大きくなる。
-量子化雑音:アナログ音声信号からデジタル信号に変換する際に失われる情報
<IP網における劣化要素>
伝送待ち遅延:IP網のネットワーク機器内で伝送待ちパケットとしてバッファされる時間の遅延
ノード内遅延(装置内遅延):IP網のネットワーク機器の転送処理に関連する時間の遅延
パケット伝送揺らぎ:IP網内のネットワーク機器でキューイング(発送順番の管理)する際の挿入タイミングにより、パケットの転送間隔に発生する揺らぎ
パケット損失:過剰なトラフィックが掛かったネットワーク機器のバッファのオーバフローにより発生するパケット損失
<受信側のVoIPゲートウェイにおける劣化要素>
復号化遅延:音声パケットを音声信号に復号化する際の処理時間による遅延
揺らぎ(ジッタ)吸収機能による遅延:IP網で発生した揺らぎを吸収するための受信側VoIPゲートウェイの持つ「揺らぎ吸収機能」による遅延(詳細は、「VoIPゲートウェイの揺らぎ(ジッタ)吸収機能について」を参照)
leitency_jitty_sonsitu_setumei.png

・IP電話網におけるQoS制御について
音声パケットは、遅延などがサービス品質に大きく影響を与えるためリアルタイム性が求められ、IP網においては通常のデータパケットよりも優先して転送される必要がある。そのため、音声パケットのIPヘッダのToSフィールド(パケット処理の優先度を表すフィールド)に高い値を設定することで、データパケットよりも優先して音声パケットを処理するようにしている。
pri_voip_packet.png

・IP電話網におけるフラグメント化について
音声パケットは優先制御により、通常のデータパケットよりも優先してルータで転送されるが、例えば大きいサイズのデータパケットの処理中に音声パケットが到着した場合、そのデータパケットの転送処理が完了するまで音声パケットは待たなければならず、遅延の増大につながってしまう。そこで、通常パケットをフラグメント化(小さいサイズのパケットに分割)して転送処理することで、優先度の高い音声パケットを割り込ませることで、遅延を少なくできる。
voip_packet_fragment.png

VoIPゲートウェイの揺らぎ(ジッタ)吸収機能について
受信したパケットをその都度、音声に変換した場合、IPパケットの揺らぎによって音声の途切れが発生してしまう。そこで、VoIPゲートウェイに揺らぎ吸収用のバッファを持たせて、受信したIPパケットをある程度蓄積した後に音声へと変換することで、音声の途切れを発生させないようにする。揺らぎを吸収したパケット分は、音声の遅延となるため、バッファを多く持ち過ぎると遅延が増えてしまうことになる。揺らぎ防止と遅延防止は、トレードオフの関係にある。また、バッファ容量を超過したパケットや、設定した吸収待ち時間を超過して受信されたパケットは破棄される。

voip_gateway_yuragi.png



30_2_setubi_1_(2)i.png

(2)
(ⅰ)
答え:③
解説
①②④正しい

③ 光ファイバを屈折率分布形状で分類すると、コアとクラッドの間で屈折率が階段状 (正:放物線状) に変化するGI型光ファイバと、コアの屈折率分布が緩やか (正:階段状) に変化するSI型光ファイバがある。

補足
・ブラッグ反射
周期的に並んだ格子上の粒子に対して光が入射した際、特定の波長のみが反射する現象。反射する波長は、格子間の距離に依存する。
Bragg_ref.png

・フォトニックバンドギャップ光ファイバ
ブラッグ反射を利用した光ファイバ。ファイバに周期的に空孔を配置することでコアを作り、ブラッグ反射により光を閉じ込めて伝搬することができる。
PCF2.png

ドーパント(添加剤):光ファイバのコア部とクラッド部に添加することで屈折率を調節するための不純物元素。
 コア部:屈折率を上げる必要がある⇒ゲルマニウム(Ge)やリン(P)を添加
 クラッド部:屈折率を下げる必要がある⇒ホウ素(B)やフッ素(F)を添加

・SI(ステップインデックス)型ファイバとGI(グレーデッドインデックス)型ファイバの屈折率分布
マルチモード光ファイバには、とSI(ステップインデックス)型とGI(グレーデッドインデックス)型の2つがある。
SI(ステップインデックス)型は、コア部の屈折率が一定で階段状の屈折率分布を持っている。GI(グレーデッドインデックス)型は、SI型で問題となるモード分散の影響を最小限にするために、屈折率分布を放射線状に変化させた構造になっている。
GI_SI_fiber_bunpu2.png

・(参考)モード分散とGI(グレーデッドインデックス)型ファイバ
マルチ光ファイバは、複数の光の経路(モード)を持っている。モードのうち、入射角度の小さい光の経路(低次モード)は、反射回数が少なく進行方向に対して短い経路を取ることができるため到着時間が早くなる。逆に入射角度の大きい光の経路(高次モード)は、反射回数も多くなり進行方向に対して長い経路を取ることとなり到着時間が遅くなる。このように、光パルスを複数のモードに分けて伝送する際に到達時間に幅が出来てしまい、光パルスの品質が悪くなる現象をモード分散という。
mode_bunsan.png

GI(グレーデッドインデックス)型ファイバは、コアの中心の屈折率を大きくし、コアの外側に行くほど屈折率を小さくした構造をしている。このような構造により、低次モードはコアの中心を全反射して進み、高次モードはコアの外側を全反射進む。光の伝搬速度は、屈折率に反比例する性質を持っており、低次モードの光は伝搬速度が遅くなり、高次モードの伝搬速度は速くなる。この性質をうまく調整することで、低次モードから高次モードまでの到着時間の差をなるべく小さくすることでSI型において問題となっていたモード分散への対処が可能となる。(現在使われているマルチモードファイバのほとんどがGI型になっている。)
GI_fiber_mode.png

空孔アシスト型ファイバの構造
空孔アシスト方光ファイバは、コア部の周囲に空気が入る空洞を空けたファイバ。空気は、通常のクラッド部よりも大きな屈折率を持っている。コア部と空気の層の屈折率差を設けることで通常では光が漏れてしまうほどのファイバの曲げにも対応できる。
kuko_fiber.jpg

類題

問題番号:27年第1回(設備)問1(2)(i):光ファイバの構造



30_2_setubi_1_(2)ii.png


(ⅱ)
答え:③
解説
① SM光ファイバは、マルチモード(MM)光ファイバと比較して、コア径が大きい (正:小さい) 、コアとクラッドの比屈折率差が大きい (正:小さい) 、伝送損失が小さいなどの特徴を有している。

② SM光ファイバは、MM光ファイバと比較して、光ファイバ相互の接続に高い寸法精度を必要とするが、光ファイバケーブル自体の取扱いが容易であることから、一般に、構内やオフィス内のLANなどで用いられている(※) (※赤い部分は、マルチモードファイバの説明)

③ 正しい

④ SM光ファイバには、構造分散と材料分散を合わせたモード分散 (正:波長分散) が存在する。このうち材料分散はコアの屈折率が波長により異なるために生ずる分散である。

補足
・シングルモード(SM)光ファイバとマルチモード(MM)光ファイバ
伝搬モードとは、光ファイバケーブル内を光が通る経路数のことをいう。経路(モード)を1つしかもたないファイバをシングルモード光ファイバ、経路(モード)を複数持つファイバをマルチモード光ファイバという。反射回数が少なく、伝送先に一番早く到達する経路を0次モードといい、入射角を変え経路が長くなるにつれて、1次、2次…と増えていく。
シングルモード光ファイバは、コア径が小さいため、融着接続の際に高い寸法精度を必要とされる。
マルチモード光ファイバは、曲げに強い特性があるため、構内やオフィス内のLANなどで用いられる。
single_multi_fiber.jpg
多(マルチ)モード型シングルモード(SM)型
SI(ステップインデックス)型GI(グレーテッドインデックス)型
コア径50~62.5μm~10μm
モード複数1つ
外径125μm
帯域幅狭い(100MHz・km程度)やや広い(1GHz・km程度)広い(10GHz・km程度)
光の分散大きい中程度小さい
光の損失大きい中程度小さい
コスト安い中程度高い



波長分散:光信号に使用される光は、単一の波長ではなく、厳密にはある程度の幅を持った波長である。この波長の幅によって引き起こされる分散を波長分散という。波長分散は、更に材料分散と構造分散に分けられ、これらの分散のが波長分散の値となる。
-材料分散:均一な媒質中であっても光の波長によって屈折率が異なるために伝搬速度に差がでてしまう。光が進んで行くに従い、屈折率の違いにより徐々に広がってしまう現象を材料分散という。
-構造分散:光ファイバのコア部とクラッド部の境界面で全反射するときに光がクラッド部分へしみ出す。構造分散は、このしみ出る割合が波長により異なるために生じる。構造分散は、ファイバの屈折率分布を変えることで調整することができるので、この特性を利用して分散特性をコントロールしたファイバなどが開発されている。

・(参考)シングルモード光ファイバの分散
以下は、材料分散と構造分散の各波長での分散の大きさと、それの和である波長分散の分布を表している。
SMF_bunsan.png

・分散シフト光ファイバ(DSF)と、波長分散特性の調整について
 波長分散を構成する材料分散と構造分散のうち、材料分散は、光ファイバの材料となる石英ガラスに依存しているため、調整することが難しい。しかし、構造分散は、コアとクラッドの屈折率に依存する値なので、調整することが可能である。この特性を利用して、屈折率分布を変えて構造分散を調整し、波長分散の特性を用途に合わせた様々な分散制御型のファイバが存在する。
その一つに分散シフト光ファイバ(DSF)がある。
分散シフト光ファイバ(DSF)は、ゼロ分散波長(分散の影響が一番小さい波長帯)が1.3μmにある標準的なシングルモード光ファイバから、構造分散を調整することによって、ゼロ分散帯域を1.55μmにシフトさせたファイバである(1.55μm帯域は、ファイバの損失も最小となる波長帯であるため伝送品質上都合が良い)。分散シフト光ファイバの屈折率分布は、セグメントコア型と呼ばれる形状で調整されている。
shift_fiber_bunpu.png

・分散制御光ファイバの種類
構造分散の調整(屈折率分布の調整)により分散特性を変えた光ファイバは、ほかにも多数あるが、主なものとして以下のようなものがある。
・分散フラット光ファイバ(DFF):材料分散と構造分散を相殺させるような形で構造分散を調整することで1.3~1.6 μmの広い波長帯域にわたって分散値を低く抑えたファイバ。
・非ゼロ分散シフト光ファイバ(NZ-DSF):WDMのような複数の波長を使うシステムでは、分散を0にしてしまうと、非線形光学効果である四光波混合の影響が大きくなってしまう。そこで1.55μm帯で分散値をゼロ付近にしている分散シフト光ファイバ(DSF)から、ゼロ波長帯を若干ずらした非ゼロ分散シフト光ファイバ(NZ-DSF)が使われる。
bunsan_seigyo_fiber.png

【参考】コア径と軸ずれによる接続損失の関係
一般的にコア径(シングルモードの場合は、モードフィード径)が小さいほど、軸ずれによる接続損失の影響が大きい。そのため、コア径が小さいほど軸合わせに精度が求められ、融着接続がしにくいとされている。(つまり、コア径の小さいシングルモードファイバは、コア径の大きいマルチモードよりも接続の際に高い寸法精度が要求される)
・(参考)モードフィード径と軸ずれによる接続損失の関係式
dを軸ずれの幅、wをファイバのモードフィード半径とした場合、以下の式により接続損失が求められる。(※一般的なSMFの場合。複雑な構造のファイバでは別の式が使われることがある。)
\( Loss = -10\log _{ }{ e^{(-\frac{d^2}{w^2})} } \)
zikuzure_keisan.png

類題
問題番号:27年第1回(設備)問1(2)(ii) :シングルモード光ファイバの特徴



30_2_setubi_1_(3)i.png

(3)
(ⅰ)
答え:⑤
解説
①②③④正しい

⑤ 発信号局と着信号局との間で信号メッセージが転送される経路は信号ルートといわれ、この経路には、一般に、SEP (正:STP) といわれる信号中継局及び信号リンクが含まれる。

補足
PSTN (Public Switched Telephone Network:公衆交換電話網):回線交換方式の音声通話サービスを提供する公衆回線網のこと

・PSTNにおける制御信号の伝送方式
PSTNで制御信号(呼制御や網管理に使用)を伝送する方式として、個別線信号方式共通線信号方式の2つが存在する。

 ・個別線信号方式:音声データと制御信号が同じ伝送路で転送される方式。PSTNでは、回線交換方式を採用しているため、個別線信号方式では、通話によるセッションが確立されてしまうと、制御信号を転送することができなくなってしまう。そのため、複雑なサービスの制御を行うことができない。

 ・共通線信号方式:音声データと制御信号が別々の伝送路で転送される方式。制御信号が音声データと独立した回線となっているため個別線信号方式で課題だった通話セッション確立中の制御信号の転送が可能になっている。これにより、様々なサービスの提供が可能になった。代用的なサービスに、発信者の電話番号をディスプレイに表示させるナンバーディスプレイなどがある。共通線信号方式のうち、No.7共通線信号方式(SS7:Common Channel Signaling System No.7)が現在の主流となっている。

・No.7共通線信号方式のネットワーク
ss7_network_2.png

(構成機器)
共通線信号の処理を行う局(交換機)のことを信号局(SP:Signal Point)といい、SPには、STPSEPの2種類が存在する。
 -信号局(SP:Signal Point):共通線信号の処理を行う局の総称。SPには、信号局コードが割り振られており、制御信号メッセージの送信時に転送や受信を行う局を選択するために使われる。
 -信号端局(SEP:Signal End Point):共通線の信号を送受信する末端の局
 -信号中継局 (STP:Signal Transfer Point):共通線の信号を中継する局

(No.7共通線信号方式の面構成)
共通線信号網は、2面(A面、B面)の網構成をとっており、SEPからの信号リンクは、両面のSTPに二重帰属しており、片方の面が停止しても、他方の面を利用して制御信号を伝送することができる。

非回線対応信号機能:フリーダイヤル番号から加入者番号への翻訳など、回線の呼制御とは直接関係のない機能

類題
問題番号:24年第1回(設備)問1(3)(i):No.7共通線信号方式



30_2_setubi_1_(3)ii.png

(ⅱ)
答え:④ A、Bが正しい
解説
A、B:正しい

C:メッセージ転送部は、レベル1の信号リンク機能部 (正:信号データリンク部) 、レベル2の信号データリンク部 (正:信号リンク機能部) 及びレベル3の信号網機能部で構成され、信号接続制御部と合わせてOSI参照モデルのレイヤ4 (正:レイヤ3) の機能を実現している。

補足
・共通線信号方式の機能(OSI参照モデルとの対応)
ss7_3.png


電話ユーザ部(TUP:Telephone User Part):基本的な呼制御を規定している(国内ではTUPは使われていない)
ISDNユーザ部(ISUP:Integrated Services Digital Network User Part):信号局がやり取りするメッセージを規定する
トランザクション機能部(TCまたは、TCAP:Transcation Capabilities Application Part):非回線対応信号機能(通話に直接関わらない付加機能)を提供する
信号接続制御部(SCCP:Signaling Conection Control Part):共通線信号でのルーティングを行う(MTPの信号データリンク部と合わせてOSI参照モデルのL3に該当)

メッセージ転送部(MTP:Message Transfer Part):経路管理に関する部分。下記の3つのレベルから構成されている。
 レベル3:信号網機能部:共通信号網でのルーティングを行う(SCCPと合わせてOSI参照モデルのL3に該当)
 レベル2:信号リンク機能部:信号の誤り制御などを規定(OSI参照モデルのL2に該当)
 レベル1:信号データリンク:信号の電気的条件や物理的条件を担う(OSI参照モデルのL1に該当)


類題
問題番号:24年第1回(設備)問1(3)(ii) :No.7共通線信号方式の機能構成





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第2回

平成24年第2回-電気通信システム
平成24年第2回-伝送設備
平成24年第2回-データ通信
平成24年第2回-法規

第1回

平成24年第1回-電気通信システム
平成24年第1回-伝送設備
平成24年第1回-データ通信
平成24年第1回-法規

説明および注意

※無断転載を禁止します。

※【解説】について
・正誤を問う問題
誤った文章と、その誤り箇所、そして、正しい文言および文章を記載します。
 赤:誤っている箇所
 青:正しい文言
 緑:注釈

※「★」部分は、編集中箇所です。
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